近年,日本各地の沿岸域で,海藻が群落を形成している「藻場」が衰退し,石灰藻が繁茂する「磯焼け」と呼ばれる現象が発生し,大きな問題となっている.海洋深層水は「低温安定性」,「富栄養性」を兼ね備えており,それらはある種の海藻を生育させるために適しているため,海洋深層水を用いた藻場修復の可能性が示唆されている.筆者ら1)がNEDO プロジェクトの一環として,室戸岬東岸海域を対象にモデルを用いた予測を行い,深層水による藻場修復可能性を明らかにしたが,その前提として日量 100 万 t の海洋深層水の放水が必要であった.そこで,本研究においては,従来のモデルで不足していた生物パラメタの取得を行うとともに,深層水をスポット的に滞留させた時の藻場修復効果の評価を目指し,モデルを用いた計算とその検討を行った.
