わが国は四周を海に囲まれた島国として歴史を刻んできた.その結果として,現在の世界に冠たる海運業,水産業,また,それを支える造船業,海洋土木建設業の高いレベルの技術により,総体として世界をリード出来る程の大きく且つ質の高い海事産業を形成している.しかしながら,魚類生産の豊かな日本近海ではあるが,天は二物を与えずで海底油田については殆ど発見されず,また海外での権益確保についてもエネルギー自給意識の薄弱な国家政策も相俟って,わが国の石油は殆ど輸入に頼りきっている状態である.人口爆発により供給不足に陥りはじめた陸上資源から海底油田をはじめとする海底資源への移行という世界的な流れの中で,わが国の海洋技術,特に大水深での海中技術については,石油生産業という実業のバックグラウンドがないため世界の先進国から少々遅れを取ってしまったかに見える.
