海洋深層水は富栄養(藤田・高橋,2006)であるため,海洋深層水利用施設内の水槽壁面や培養生物の表面には多量の珪藻が着生する。特に海藻の藻体上に珪藻が着生した場合には,光や栄養塩をめぐる競合が問題となる(藤田・鴨野,1998)。三重県尾鷲市のみえ尾鷲海洋深層水施設では,2001年から深層水を利用したハバノリPetaloniabinghamiae (J.Agardh) Vinogradova(褐藻綱,カヤモノリ科)の陸上養殖試験を行っている。養殖手法はほぼ確立されたが,水槽内に繁茂した付着珪藻がハバノリを覆い,その生長を阻害することが大きな問題となっている。そこで今回,付着珪藻の増殖抑制研究の手始めとして,水槽内の付着珪藻の種組成を調査した。その結果を報告する。
