北海道羅臼の海洋深層水から連行採取された 本邦初記録のフジツボ(Chirona evermanni)

要旨

北海道羅臼漁港の海洋深層水取水管(取水深度350 m)から,これまで国内では生きた標本として確認されたことのない付着性大型フジツボの非破損個体(採取時の生死は未判別)と多数の脱皮殻が連行採取された.このフジツボは,太平洋北部の水深20~75 mで約10℃以下の冷水海域に生息するChirona evermanni(Pilsbry)と同定され,日本列島では津軽海峡以北の海底堆積物中で死殻が発見されているが生存個体は確認されていない.取水管は硬質ポリエチレン製(外径350 mm, 内径268 mm, 長さ2,817 m)で,2004年8月に海中敷設,2006年1月に取水ポンプと接合,同年8月から事業取水が行われている.2010年頃から,フジツボの殻(周殻,蓋板など)の破片が連行され,現在も続いている.2011年と2012年にはそれぞれ1個の非破損個体が連行された.

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