スマートゲルは 10 年前から,生物医学分野で広く利用されてきており,現在も薬の体内輸送,細胞封入,組織工学や創傷被覆薬の分野で多くの研究が行われている.感熱性キトサン/-グリセロリン酸ヒドロゲル(thermosensitive chitosan/-glycerophosphate hydrogel; CS/-GP)は生理pH でゾル化-ゲル化が可能なので,医薬材料に応用しやすい.また,CS/-GP は室温下において,生きた細胞や治療用タンパク質などを液体のままで封入が可能で,さらに体温でゲル化できる性質は組織工学の研究に有用である.一種の自然由来の多糖ポリマーとして,CS/-GP は無毒で生体に適合し,自然分解が可能の利点が具わっていて,人工合成の材料に比べてより簡単に生物医学分野に応用できる.本研究では海洋深層水の添加による CS/-GP のゲル化温度,水蒸気透過率,抗菌性および細胞毒性への影響を調べた.
